神奈川県相模原市にある動物眼科専門病院
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ウサギの白内障

Cataract

ウサギさんにこんな症状はありませんか???

• 目が白く濁っているような・・・
• 動きが鈍くなり、反応しなくなった・・・
• 目が赤くてショボショボしている・・・
• 急に驚いたり、咬みつくようになった・・・
                         など

もしかしたら目の病気、特に白内障かもしれません!

 


~白内障って?~
 よく耳にする“白内障”。では、白内障とはどんな病気でしょうか? 
白内障とは、様々な原因で水晶体タンパクが不可逆的に変性して混濁した状態をいいます。
つまり、レンズの部分が変化して濁ってしまい、二度と元に戻らなくなる病気なのです。たかが白内障と思い放置すると、様々な合併症や失明に至る場合があります.
 
   
白内障模式図
目の中の水晶体が濁ってしまう病気です!
成熟白内障

~ウサギの白内障の原因はイヌと一緒?~

ペットとして飼育されているウサギも白内障になります。

  白内障の原因は感染性、遺伝性などが考えられていますが、はっきりとした原因は不明であることが多いです。
 
 一方、ウサギの眼科疾患において、前眼房(虹彩)膿瘍頻繁にみられる疾患の一つです。この病気は、目の中が感染し、膿が出来てしまう病気です。この病気は角膜外傷や角膜穿孔などで角膜から続発する場合と、全身性の感染症から続発する場合があります。特にEncephalitozoon cuniculiPasteurella multocidaなどの寄生虫や細菌に起因する場合が多いです。
 

ウサギ 虹彩膿瘍

  ウサギの虹彩膿瘍
 
 E. cuniculiは寄生虫の一種で、若いウサギに多く、水晶体に感染し、水晶体能を破壊することによって二次性のぶどう膜炎を引き起こします(水晶体破壊性ぶどう膜炎)。この場合、局所的なぶどう膜炎が強くみられ、その部位から水晶体の中に眼房水が侵入して白内障を形成します。
 
 また、進行が速く、そのままにしておくと白内障誘発性ぶどう膜炎と、関連する虹彩膿瘍、充血、眼内炎症が併発し、眼球癆になる可能性があります。合併症が悪化した場合、点眼などの内科的な方法では治療することが不可能となり、眼球拡張や閉瞼不全、それらに続発して角膜障害を発症し、痛みにより命の危険にかかわる可能性もあります。
 

~白内障を放置すると…?~

左の写真は白内障が進行して、ぶどう膜炎、そして高眼圧になってしまったウサギの目です。

  •  白内障は、眼が白く濁り、視覚喪失するだけでなく、様々な合併症を引き起こし,QOLを著しく低下させてしまいます。
  •  特に合併症として多いのが水晶体起因性ぶどう膜炎(LIU)です。重度の場合は、続発性緑内障、網膜剥離、水晶体脱臼、特に前方に脱臼した場合は激しい疼痛を引き起こします。最終的に眼球癆(眼が腐ってしまう状態)になることがあります。

 

〜白内障の分類〜

白内障は濁りの程度で4つに分類されます。

初発白内障

日常生活にあまり支障はありませんが、眼科検査で発見できます。 
初期の白内障です。混濁範囲は水晶体の15%未満です。
→ 今後の進行をモニターする時期!

 

ウサギの初発白内障

未熟白内障

混濁が15%以上であり、視覚が認められる状態です。瞳孔に白い濁りなどが認められ、中心部に混濁があると視覚障害が出る場合があります。
次のステージへは、わずか数日で進行することもあります。
→ 手術を考える時期!

 

ウサギの未熟白内障

成熟白内障

水晶体の混濁が全体にわたり、眼底見えない状態、つまり視覚消失の状態なります。
後期には水晶体の脱水により、大きさは縮小し始めます。
 手術後の合併症が高くなる時期!

 

ウサギの成熟白内障

過塾白内障

混濁が強まり、水晶体核・皮質の萎縮・硬化、水晶体縮小、皮質の液化現象、モルガニー白内障 (核のみが水晶体嚢下方に沈下した状態)等の状態になります。
つまり、水晶体が溶けてきてしまう時期なのです。

→ 眼を残すための方法を考える時期!

 

では、白内障を治療するにはどうしたらいいのでしょう?

唯一の方法は手術だけです。

 
    

     正常な目のイメージ                      白内障のイメージ
 
「固まった白身や黄身を生卵にもどす薬はない!」ということです。 唯一の治療法は手術なのです。

•内科的治療

 

やむを得ず手術ができない場合に選択される姑息的な治療法であり、効果は期待できません
ぶどう膜炎予防や様々な合併症のために点眼薬、内服薬は必要になります。
 

•外科手術

 

白内障治療の原則は手術です。
簡単に言えば、手術により濁った水晶体を取り除いて、目の前をスッキリさせる手術です。
外科用の顕微鏡と特殊な機器を使った手術です。
ウサギの白内障手術

① まず角膜を3mm切開し、角膜
  にトンネルをつくります。

 

ウサギの白内障手術

② 水晶体の前嚢の膜を取り除い
  て、窓を作ります。
  必要に応じて、テンションリ
  ングを入れます。

ウサギの白内障手術

③ 超音波乳化吸引装置を使用
  し、水晶体を破壊・吸引しま
  す。
  その後、中をよく洗います。

ウサギの白内障手術

④ 中をきれいに洗浄します。





ウサギの白内障手術

⑤ 最後に角膜を縫っておしまい
  です。

※ 手術時間は片眼で約30分ほど
  です。


【白内障手術を実施したウサギ】

白内障手術前
    
白内障手術後

    白内障手術前            白内障手術後

~手術のリスクは…?~

 白内障の場合、短時間で終わる手術だからといって手術のリスクを考えずにお受けする事はできません。手術である以上100%成功はないからです。もちろん、多くの場合良好な結果が得られますし、必要以上に怖がる必要はありませんが、麻酔前一般検査、眼科検査等を十分に行い、不安な点はスタッフと十分コミュニケーションをとると良いでしょう。

  
手術は上記の【混濁程度による4つの分類】にある病期進行度に合わせて難しくなり、かつ合併症のリスクが増します。それは、眼内出血、ぶどう膜炎、緑内障、網膜剥離、感染症、後発白内障(とりきれなくこびりついた水晶体皮質が将来再発する)、後嚢破損、硝子体脱、眼球癆(将来に小眼球症)、視覚障害、麻酔による死亡、等です。

~予防できるの?~

点眼薬、サプリメント、等は開発されていますが、今のところ特効薬はありません。
白内障は身近な病気であるが故、「もう年だから」「鼻と耳がいいから大丈夫でしょ」「見えなくなるだけならいいか」などと、ほっとかれがちな病気です。
しかし、放置すればするほど「怖い」病気なのです!

白内障は正しく診断して、早期に治療を行えば、治すことができる病気です!
 
まずは一度、獣医さんに相談してみて、「目」の検査をしてみてはいかがでしょうか?

 
神奈川県相模原市にある動物眼科専門病院