うさぎの角膜閉鎖症

~うさぎの角膜閉鎖症~

 結膜が異常に伸長し、角膜を覆ってしまうことで視覚障害や炎症を引き起こす、うさぎ特有の眼疾患です。

 角膜閉塞症候群、結膜過長症、偽翼状片とも言います。


 結膜が角膜上に向かって異常に伸び、黒目の部分が膜で覆われたように見えます。進行すると視野が狭くなり、視覚障害を引き起こすことがあります。また、結膜炎を併発し、目の充血や涙、目やになどの症状が見られることもあります。 


また、「偽翼状片」という別の呼び方の通り、見た目は翼状片に似ていますが、原因や組織学的特徴が異なります。

 

うさぎ 偽翼状片

 

うさぎの結膜の病気

周りからどんどん結膜が伸びてくる病気なんだ

~原因は?~

 明確な原因はわかっていません。うさぎの目は人間と比較して大きく、露出しているため乾燥、外傷、異物、感染症などの影響を受けやすいです。これらが角膜閉鎖症の発生に関与していると考えられています。

遺伝的要因:
1歳以下の若いうさぎに多く発症することから、遺伝的な関与が示唆されています。

外傷:
網やケージなどで目をこする、他のうさぎとの喧嘩、毛や牧草などが目に入ることによる刺激、など。

パピローマウイルス感染:
一部の症例でパピローマウイルスの関与が指摘されています。 

コラーゲン形成異常:
結膜の異常伸長に関与している可能性があります。 

~症状は?~

 一番の特徴は結膜が徐々に伸びて、角膜をさまざま範囲で覆うことです。360℃伸張する場合、部分的に伸張する場合など、さまざまです。両眼の角膜を広範囲に覆ってしまう場合は、視覚障害がみられることがあります。

 また、進行具合も様々であり、多くは両側性ですが、片側性にも生じます。雄のほうが発生が多いとされています。

 

うさぎの結膜の病気

  • ・目の表面に白っぽい膜が張ったように見える
  • ・涙が多い
  • ・目をこする
  • ・まばたきが多い
  • ・他の角膜疾患を伴う場合もあります

 

うさぎ 角膜閉鎖症候群

~診断は?~

  •  眼科用スリットランプで観察します。角膜閉鎖症は可動性があり、プローブ(探子)で結膜と角膜の間に隙間があることが診断の助けになります。また、他の検査も行うことで、原因や併発疾患の有無を確認します。

偽翼状片 うさぎ

角膜に結膜がくっついているように見えますが、

水晶体摘出術 術式

くっついておらず、動かすと動きます

~治療法は?~

 治療法は外科的に切除することです。伸張した余分な結膜を切除します。また、切除後に眼軟膏の投与など、内科的な治療を併用します。
 他にも、結膜の伸張部位を切開し、縫合して固定する方法などがあります。どの方法も、結膜が角膜を覆うのを防ぐ目的で行われ、それぞれの症例に合った方法で実施します。


しかし、外科的な処置を実施した場合でも、永久的なものではなく、再発する可能性がある病気です。


 早期発見と適切な治療により、視覚の回復や症状の改善が期待できます。しかし、再発のリスクがあるため、定期的な眼科検診が推奨されます。特に若齢のうさぎを飼育している場合は、目の異常に注意を払い、異変を感じたら速やかに獣医師に相談してくださいね。

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