眼科検査のご案内
眼科検査の流れについて
犬や猫、うさぎもヒトと同じように眼科検査を受けることができます。
どうぶつ眼科では、病気を説明させていただく際に、目についての専門用語をたくさん使用します。病気を治療する場合、飼い主様のご理解が非常に大切です。できる限りわかりやすい診療を心がけておりますが、検査内容や治療に関してより理解が深まるようにと、ここで説明します。
1:眼瞼
いわゆる「まぶた」です。
2:主涙腺
涙の成分の中で、水液層を産生します。
3:マイボーム腺
涙の成分の中で、油層を産生・分泌します。
4:瞬膜
第三眼瞼とも言います。涙の分泌などを担っています。
5:角膜
眼球の最も外側の透明な膜です。
6:結膜
まぶたの内側や白目の外側をおおっている半透明の膜です。
7:虹彩
目に入る光の量を調節します。
8:毛様体
虹彩を固定する役割と、チン氏小体を介して水晶体の厚さを変える役割をしています。また、目の中の栄養水(房水)を産生しています。
9:チン氏小体
水晶体の周りにある糸状の組織で、水晶体を保持し、厚さを調節します。毛様体と共に水晶体を支えています。
10:水晶体
いわゆる「レンズ」で、光を屈折し焦点を合わせます。
11:硝子体
目の形を保ち、網膜を支えています。
12 強膜
いわゆる「白目」の部分で、強くて固い膜で目の形を保っています。
13:脈絡膜
内側の網膜と外側の強膜によって挟まれたうすい膜で、血管が豊富で、血管のない網膜外層に栄養を補給しています。
14:網膜
光をキャッチして、電気信号に変えます。
15:視神経
電気信号を脳に伝えます。
まずは肉眼で見てみよう
まず、肉眼で目の表面全体を診察します。
眼瞼、結膜、強膜、第三眼瞼、マイボーム腺及びその開口部、睫毛の異常の有無、涙線の異常、角膜の異常などを検査します。
スリットランプで診てみよう
一般診療で聴診や検温するように、眼科診療はスリットランプ(細隙顕微鏡)検査から始めます。
細い光を斜めに当てて角膜表面を診察します。スリットランプで角膜断層像を診察することにより、角膜表層(上皮)、中間層(実質)、深層(内皮)を診察します。
涙はちゃんと出てるかな?
涙液量測定はシルマーティアテスト(STT)やフェノールレッド綿糸試験などがあります。
これにより涙の生産量を評価します。涙の量が少なかったり、質が悪かったりすると、乾性角膜炎や角膜潰瘍等の原因となります。
角膜に傷があるかも
角膜染色はフルオレセイン・ローズベンガル染色を行います。
角膜を特殊な染色液で染めて、角膜表面と涙のバランスを観察します。また、涙の性質や鼻涙管(目と鼻をつなぐ通り道)等も評価します。
【フルオレセイン染色】
角膜上皮の欠損部が染まります。
【ローズベンガル染色】
ムチンに覆われていない角膜や結膜を染色します。
眼圧はどうだろう
眼圧検査はトノベットという測定器を用いて、眼圧を測定します。
この検査で緑内障(眼圧上昇)やぶどう膜炎(眼圧低下)等の評価ができます。
目の奥を見てみよう
散瞳した後に、硝子体、眼底を診ていきます。
双眼倒像鏡を用いて網膜や視神経などを診ていきます。GENESISやClearviewなどの特殊なカメラを用いて画像として記録し、ご家族と一緒に見ながら検査できます。
目にエコー検査できるの?
超音波診断装置(エコー)により目の奥を画像診断します。
超音波を目に当てて、虹彩、網様体、水晶体、網膜等の構造を検査します。エコー検査により、網膜剥離や白内障、腫瘍の有無等が評価できます。
網膜電位図検査って?
網膜電位図検査(ERG)により、網膜や神経に異常がないかを評価します。
ERGとは、網膜に光を当てて刺激することにより発生する電気信号を計測して、光受容体の機能や網膜の細胞の活動を評価します。 いわば、心電図の目バージョンのようなものです。